順運動学/逆運動学/特異点/DHモデル
知能ロボットに関連する用語を規定している知能ロボット用語において、”a)コントロールパス関連用語”の分類の中で、”5)運動学”に分類されている用語のうち、『順運動学』、『逆運動学』、『特異点』、『DHモデル』のJIS規格における定義その他について。
人や動物がもつ論理的推論、学習、認識・理解などの知的機能の全部或いは一部を備え持つロボットである知能ロボットの、モデル、学習、レベル計画、サーボイング、センシングパスなどに関連する用語として、知能ロボット用語(JIS B 0185)において、”a)コントロールパス関連用語”の分類の中で、”5)運動学”に分類されている知能ロボット用語には、以下の、『順運動学』、『逆運動学』、『特異点』、『DHモデル』などの用語が定義されています。
知能ロボット用語(JIS B 0185)
⇒【a)コントロールパス関連用語 > 5)運動学】
分類: 知能ロボット用語 > a)コントロールパス関連用語 > 5)運動学
番号: 140100
用語: 順運動学
定義:
直列形マニピュレータの各ジョイントの変位から、メカニカルインタフェース(※1)のポーズを決める数学的手法。
対応英語(参考):
forward kinematics
分類: 知能ロボット用語 > a)コントロールパス関連用語 > 5)運動学
番号: 140200
用語: 逆運動学
定義:
メカニカルインタフェースのポーズから、各ジョイントの変位を求める数学的手法。
対応英語(参考):
inverse kinematics
分類: 知能ロボット用語 > a)コントロールパス関連用語 > 5)運動学
番号: 140300
用語: 特異点
定義:
マニピュレータ(※2)の機構学的な制約によって、ある特定の方向の自由度(※3)の機能が失われるポーズ。
対応英語(参考):
singularity
分類: 知能ロボット用語 > a)コントロールパス関連用語 > 5)運動学
番号: 140400
用語: DHモデル
定義:
リンク(※4)の長さ、ジョイント軸間のねじれ角、リンク間距離、リンク間角度の4個のパラメータを用いる Denavit-Hartenberg記法による機械構造の幾何学モデル。
対応英語(参考):
Denavit-Hartenberg model
(※1)
メカニカルインタフェースとは、多ジョイント構造(リンクとジョイントとを組み合わせて、腕及び手首を構成している構造)の先端に設定されたエンドエフェクタ(把持部、ナット締め具、溶接ガン、スプレーガンなど、ロボットが作業対象に直接働きかける機能をもつ部分)の取付面のことです。
(※2)
マニピュレータとは、互いに連結された分節で構成し、対象物(部品、工具など)をつかむ(掴む)、又は動かすことを目的とした機械のことです。
マニピュレータは、オペレータ、可変プログラマブルコントローラ、又はカム機構やリレー制御回路などで構成される論理システムによって制御されます。
(※3)
自由度とは、空間において剛体の運動を記述するのに必要な独立変数の数のことです。最大6になります。
(※4)
リンクとは、一つの機械構造を構成する、互いに相対運動可能な固体要素のことです。