可動領域/最大領域/制限領域/運転領域/作業領域/作動範囲
産業用ロボットに関連する用語を規定している産業用マニピュレーティングロボット用語において、”d)運動”の分類の中で、”3)領域”に分類されている用語のうち、『可動領域』、『最大領域』、『制限領域』、『運転領域』、『作業領域』、『作動範囲』のJIS規格における定義その他について。
学習用ロボット(学習制御ロボット)、知能ロボット、移動ロボット、溶接ロボット等の産業用ロボットの種類・名称、産業用ロボットの形式、機械構造、運動学、プログラム・制御、ロボット言語、性能、安全性などに関連する用語として、産業用マニピュレーティングロボット用語(JIS B 0134)において、”d)運動”の分類の中で、”3)領域”に分類されている産業用ロボット用語には、以下の、『可動領域』、『最大領域』、『制限領域』、『運転領域』、『作業領域』、『作動範囲』などの用語が定義されています。
産業用マニピュレーティングロボット用語(JIS B 0134)
⇒【d)運動 > 3)領域】
分類: 産業用マニピュレーティングロボット用語 > d)運動 > 3)領域
番号: 4410
用語: 可動領域
定義:
ロボットの可動部分(エンドエフェクタ・ワークを含まない。)が到達できる領域。
備考:
可動領域は、製造業者が指定する。
対応英語(参考):
motion space
ISOの項目番号(参考):
−
分類: 産業用マニピュレーティングロボット用語 > d)運動 > 3)領域
番号: 4420
用語: 最大領域
定義:
可動領域に、エンドエフェクタ(※1)及びワークが到達できる領域を加えたもの。
対応英語(参考):
maximum space
ISOの項目番号(参考):
4.8.1
分類: 産業用マニピュレーティングロボット用語 > d)運動 > 3)領域
番号: 4430
用語: 制限領域
定義:
最大領域の一部で、ロボットシステム(※2)にどんな故障・誤作動が生じても超えることがない限界を設定するリミット装置によって制限された領域。
備考:
リミット装置が作動した後にロボットが動き得る最大距離も含まれる。
対応英語(参考):
restricted space
ISOの項目番号(参考):
4.8.2
分類: 産業用マニピュレーティングロボット用語 > d)運動 > 3)領域
番号: 4440
用語: 運転領域
定義:
制限領域の一部で、プログラムされた運動を実行中実際に到達することのできる領域。
対応英語(参考):
operational space
ISOの項目番号(参考):
4.8.3
分類: 産業用マニピュレーティングロボット用語 > d)運動 > 3)領域
番号: 4450
用語: 作業領域
定義:
手首基準点(※3)が到達できる領域及びその領域における手首(※4)の各ジョイント(※5)の可動範囲を合わせた領域。
対応英語(参考):
working space
ISOの項目番号(参考):
4.8.4
分類: 産業用マニピュレーティングロボット用語 > d)運動 > 3)領域
番号: 4460
用語: 作動範囲
定義:
各軸ごとの作動可能な距離又は角度。
対応英語(参考):
operating range
ISOの項目番号(参考):
−
(※1)
エンドエフェクタとは、ロボットが作業対象に直接働きかける機能をもつ部分(例えば、把持部、ナット締め具、溶接ガン、スプレーガン)のことです。
(※2)
ロボットシステムとは、次のものから構成されるシステムのことをいいます。
a)機械構造部(移動機能があればこれを含む。)
b)動力源及び制御装置
c)エンドエフェクタ
d)ロボットの作業遂行に必要な装置、機器及びセンサ
e)ロボット、装置、センサなどを運転し監視するための通信インタフェース。ただし、これらの周辺装置はロボット制御装置によって管理されるものに限定される。
(※3)
手首基準点とは、手首を構成するジョイントのうちで最もベース側にある二つのジョイント軸の交点のことです。
交点がない場合は、最もベース側の軸上において指定された点になります。
(※4)
手首とは、二次軸ともいい、エンドエフェクタを方向付けするために、腕とエンドエフェクタとの間に設けたリンクとジョイントとの相互結合体のことです。
(※5)
ジョイントとは、二つのリンク(一つの機械構造を構成する、互いに相対運動可能な固体要素)が互いに接触して相対的に運動するときの連結部分のことです。